NO5
試練の洞窟

その1
その2
その3
その4
その5
間奏

 

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「まったく…」
  フェイト・クローナはため息をついた。
  川に面したカフェにそのため息は響いた。カフェの大きさはシグルドの町に相応しい大きなもので、百人あまりはいるのに、視線がここに集まっている。フェイトのため息ではな元から注目されているのがより強まっただけのことだ。
  フェイトの為ではない。むしろ注目されるのは同行しているエルフのためだ。
  年齢が外見にほとんど影響を与えないエルフということでん年齢は分からない。少女めいた外見の中に妖艶な女性が潜んでいるのか、大人の女の中に少女の面影を見るのか。彼女は美しかった。
「あらあらそんな顔をしないでフェイト、なぜかっていうとせっかくのお茶がため息で味が落ちてしまうからよ」
  フェイトは肩をすくめた。側にいるエルフの女性、ニアブ・ハークレイブは優雅にお茶を勧めた。
「どうぞフェイト」
「ありがとうございます」
「アルさんはあなたが思っているよりも、ずっと繊細なの。巻き込むような事をして性急に事を進めれば、離れてしまうといったでしょ」
「離れるというのは初耳です。彼女はスリリングなゲームが好きじゃなかったんですか?」
「そうだったかかしら?」
「本当にあなたは変わりませんね。もっとも魔力を使いすぎたからって眠っていたのが失敗でした」
「これでも若い頃よりは随分気が長くなったのよ。昔なら、あなたが尋ねてくる前に、さっさと起こしていたと思う。昔は随分性急でいつも仲間たちに怒られたものだわ」
「彼女が旅に出てしまったのは困りましたね。どこにいったのか神殿ものものもしらないというし。ただ、その金策に駈けずり回っていたのは確かなのですが、支払いを済ませたきりそのまま戻っていないようで」
  アルの日頃の言動から、かなりの金額が自由になると思っていたがそうでもなかったようだ。
「それなら分かっているわ」
「分かっている?」
「ええ。わたしにも知り合いのロディも騎士団長になったって連絡がきたからきっとお祝いにいっていると思うわ」
「それを先に教えていただければ神殿で旅に出たといわれた瞬間そちらに向かえたのに」
「ああ、それもそうね」
「まったく・・・」
「何いっているの『まったく・・・』はわたしのセリフです。いい年になって女の子との交際に母親を引っ張り出しておいて」
「ついてきたのは母さんでしょ」
「そうだったかしら。でも、フェイトよりも、アルさんとの付き合いが長いのは私なんですから、あなたにそんな風に言われるのは、間違っているというよりも、あなたがアルさんを知ったのは私が話したからであって、興味を持ったのも実際のアルさんを見たのではなく、所見を交えた言葉で興味を持ったわけど、あなたが自分で見つけたわけではないのだがら、そうして声高にいうのものどうかと思うのだけれど」
  ニアブの言葉にフェイトは素直に頭を下げた。
「すいませんでした。それでそのロディさんのところにどういくか教えてくださいませんか?」
 

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