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「アルさんに関わるとどうしてこういうやばいことばかりなんだ。前はフェルティアに怒られるし、今回もばれたらどうなることか」 レジスが飛び跳ねるように働いている様は小動物のようだ。 「そういいながら手際がよくて嬉しいよ」 大神殿の裏庭には二つの棺と荷馬車が用意されていた。 「しかし急遽棺など用意してもらって悪かったな」 「いろいろと手段はあるからね」 レジスは片目を瞑ってみせる。 「苦労をかけた分報酬は弾むぞ」 「任せておいてくれ」 動きが早くなる。 「レジス氏のそうした実利的なところは嫌いじゃないぞ」 それまで黙って成り行きを見ていたフェイトは口を開いた。 「これに隠れて行くと」 「ああ。どっちみち見張りがついているだろうからな。それを避ける為にもこれはいい手だろ」 少しばかり自慢気にアルはいう。 「どちらにもつかないということは、フミヨのどちらからも追われる事になりますよ。小なりといえど相手は国ですよ。場合によってはあなたを含め神殿が責められることになる」 「帰りたいというなら帰らせた方がいい。帰ろうとも故郷のないものもいるのだからな」 アルはドラゴンの頭を撫ぜた。 「それに国と向かい合うのはさすがに嫌だな。それに力づくで押しとおるのも嫌だしな」 「なぜ力づくにしないんです?」 挑発の響きがあった。 「避けれるならできるだけ避けた方がいい」 「平和の為ですが」 「いや、作業量の問題だ。詳しくは全てが終わった時に」 アルはドラゴンともども棺に横たわった。 「おやすみな」 アルは目を閉じた。使い慣れたベットにでも寝るようにすぐに寝息があがる。 「まったく」 そういって棺を閉めるレジスは、視線を感じた。向いてみればフェイトがこまった顔をして立っている。 「フェイトさんもついていくんですよね」 「そうです」 「ここだけの話アルちゃんはものを考えているようで考えてないので気をつけてくださいね」 「?」 大きく咳払いが聞こえた。苦笑しながらフェイトも棺に横たわった。 「では、いい夢を」 レジスが棺の蓋をしめた。 |
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